介護施設利用者の家族と「信頼関係」を築くコツ ちょっとした「言い換え」でグッと印象が変わる

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介護をしている家族は、精神的にも孤独・孤立に陥りやすいので、見守られていることを実感してもらえるような声かけを大切にしましょう。

疑問をストレートにぶつけない

×な伝え方:どういうことですか?
○な伝え方:お話ししやすいことからご説明いただけますか?

利用者の家族からの要望やクレームについては、「どんなことを問題としているのか」「何に不満を感じているのか」、もしくは「どうしてほしいのか」を詳しく知る必要があります。

しかし、感情的になっている家族の場合は、事実が不安や怒り、焦りや不満などの感情と混ざってしまい、話が要領を得ないこともあるでしょう。

そのような場合に、話を整理したい気持ちをそのままぶつけて、「どういうことですか?」とぶっきらぼうな聞き方をするのは避けたいところです。

ただでさえ、感情的になっている相手です。

「あなたは何を言っているかわからない」と追い打ちをかけてきたと受け取られかねません。

要望やクレームを訴える人のなかには、自分でも何が問題なのかをよく理解できていない人もいます。

そのため、「困っている点は何か」「どこが重要なのか」を明らかにするような質問の仕方をすることが大切です。

「お困りの点について、お話ししやすいことからご説明いただけますか?」と聞けば、話しやすくなります。

それでもなお、うまく説明できない人に対しては、「どういう状況なのか」「どんな思いなのか」「わからないことは何か」を細かく確認し、整理しながら会話を進めることで解決へと導くことができます。

いかがでしょうか。

利用者の家族との関係性を良好にし、よりよいケアを目指して協力できる体制をつくりましょう。

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大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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