星野リゾート、総スカン「大学1年でも内定」の意義 学生や採用担当者には不評だが隠された意図がある?

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さて、ここからは、筆者の考察です。まず、総スカンとも言える星野リゾートの新制度ですが、プロモーション戦略としてはなかなか秀逸だと思います。

星野リゾート・星野佳路社長は、旧態依然とした体質のホテル業界にあって、数々の斬新な取り組みで成長してきました。今回の新制度も、「さすが星野さん、発想が斬新だし、タブーを恐れない姿勢は素晴らしい!」と、革新的な企業イメージをさらに高めました。採用活動のコストは上がるものの、宣伝効果ですでに十分ペイしているでしょう。

そもそも新卒一括採用を続けるべき?

それよりも筆者は、今回の新制度が発端になって、「そもそも新卒一括採用を今後も続けるべきなのか?」という議論が活発になることを期待します。新卒一括採用は日本独特の雇用慣行で、近年その弊害が目立っているからです。

日本と違ってアメリカでは、学生が在学中の早期に内定をもらい、卒業後すぐに働き始めるというのは一般的ではありません。すぐに働こうと思ってもよい働き口をなかなか得られないので、多くがインターンでスキルと経験値を高めることからキャリアをスタートします。

どうしてアメリカでは、新卒一括採用が普及していないのでしょうか。アメリカではジョブ型雇用が普及していることが、最大の原因です。

ジョブ型雇用では、ジョブ(ポスト)に空きが出たら採用するという欠員採用が基本です。「工場を新設するので生産技術者を5人採用する」「経理担当者が1人退職したので交代要員を1人採用する」という具合です。

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