領内クルスク奪還へ焦り強めるプーチン大統領 侵攻から3年迎え2024年末に北朝鮮から追加派兵も

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以上が執筆時点での西側関係国における大枠での共通認識と言っていいだろう。これを前提に、ウクライナの軍事筋はこのほど、以下のような情報を明らかにした。

「クルスクではまだ北朝鮮軍とウクライナ軍との戦闘は起きていない。しかし、すでに中隊規模(約100人前後と推定される)の部隊は前線近くにいる。これが軍事作戦実施における通常の単位である大隊(同700~800人)規模まで大きくなれば、それは交戦開始の準備ができたことを意味する」

つまり、北朝鮮軍がクルスク州でウクライナ軍と何らかの形で交戦状態に入るのは時間の問題というのが、ウクライナ・韓国のみならず米欧の見方だ。

北朝鮮からの追加派兵はあるか

だが、ここで気になる疑問がある。北朝鮮からの派兵がこの約1万人規模の派遣で終わるのか、という点だ。これについて、ウクライナ情勢に詳しい別の軍事筋は以下のような見通しを筆者に明らかにした。

「現在の約1万人の派兵部隊は第1陣にすぎない。第2次派兵が2024年末か2025年初めにも行われるだろう。北朝鮮から船で極東に送られてくるだろう」

2024年6月のロ朝首脳会談で決まった派兵のトータルの規模については、会談直後には5万人規模とも10万人規模にも、という情報があった。今回の1万人規模の派兵でも侵攻の戦況に相当の影響が出ることは必至だが、これに続き、第2次派兵が行われれば、ウクライナ侵攻への影響はいっそう大きくなろう。

この場合、ウクライナはどう対抗するのか。また米欧はどう軍事的に支援するのか。第2次派兵の有無に関する見極めが非常に大事になってきた。

一方で派兵開始後、ウクライナ側はロシア軍部隊と派兵部隊兵士との間で言葉の問題などで意思疎通がうまくいっていないことを示唆する情報を公表している。

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