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今回も誤解だらけの「国民年金」納付5年延長案 負担以上の給付、非正規雇用者の老後を支える

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授

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国民年金の人の老後がこころもとない(写真:Yotsuba / PIXTA)

5年に1度行われ、今夏にも公表される年金の財政検証を巡り、国会質疑でも取り沙汰され、早くも議論が沸騰している。

特に話題になっているのは、自営業者や非正規雇用者などが加入する国民年金の保険料の拠出期間を、現行の40年(20~59歳)から45年(20~64歳)に延長するという「案」にまつわるものである。

拠出期間を40年から45年にする「案」は、法案にすらなってもいないものである。政府はこれを採用するとすら決めてもいないのが現状だ。あくまでも、今夏に行われる年金の財政検証で、さまざまな試算結果を示すものの1つとして提示することを、厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会年金部会で了承したまでである。

その年金部会の会合が、4月16日に開催され、どんなケースを試算するかの案として示されたことから、話題になっている。

5年前も、10年前も示されている

しかし、この保険料拠出期間を45年に延長する案は、今年初めてお目見えしたものではない。東洋経済オンラインの拙稿「財政検証後の年金改革、次は何を目指すべきか 拠出期間延長と受給開始時期の延長が焦点に」で5年前にも取り上げている。

さらにさかのぼると、10年前の2014年の年金の財政検証でも、保険料拠出期間を45年に延長する試算結果が似たような形で示されていた。

保険料拠出期間の延長については、5年前にも似たような形で話題にはなったから、それを覚えている読者なら「またか」とは思えども、「寝耳に水」とは思わないだろう。ただ、国会論戦での野党の受け止め方は、「寝耳に水」といった反応だ。

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【なぜ再び試算されるのか】

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