「東大→東大院」アイドルの"超壮絶すぎる青春" 自称「落ちこぼれ」だった雲丹うにの"転機"は?

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東大でのキャンパスライフでは「自由」を手に入れた

大学卒業後は、東大大学院農学生命科学研究科へと進学。就職活動をしなかったのは「社会人になりたくない」と思ったから、いわゆる“モラトリアム”だ。

大学4年生で、かつて世話になった高校時代の恩師を訪ねた際に「大学卒業後の進路」を相談。

恩師の「せっかく東大の理系学部に入学できたんだし、大学院へ進んでみれば。社会人になってしまったら、大学院には進学しづらくなるよ」との言葉が、背中を押した。

親元を離れるために「就職して、行方をくらますか…」

大学院では、関心が「動物」から「植物」へと移った。ただ、「遺伝子工学」と取り扱う分野は変わらず。2年間の研究生活を経て、2022年3月に修了して“修士”の学位を得た。

当時、すでに“プロのアイドル”としてステージデビューも果たしていたという。その流れは、やや複雑だ。

雲丹うにさんTwitter
(2022年3月29日/@MM____uni/雲丹うに【Mirror,Mirror】5.20 新宿BLAZEワンマン)

アイドル“雲丹うに”として活躍する現在の所属グループ「Mirror, Mirror」が結成されたのは、2021年夏頃。

大学院の修了直前、2022年1月にグループは初ステージを迎えていた。

さらにさかのぼって、2021年秋。雲丹は、大学院の新卒として「秋採用」の就職活動もしていたとは驚く。

本音では就職したくなかった。しかし、厳しい両親のもとでは「アイドルになった」とは言えない

そんなある日、実家では史上初の家族会議が開かれて「あんた、就職どうするの?」と聞かれた。

返す言葉もなく、内心で「いったん就職して、行方をくらますか……」と自問自答。

早く就職活動を終わらせようとして「東大院卒の肩書が重宝されそうな有名企業」に絞って「3社ほど」にエントリーした結果、大手銀行の内定を得た。

いわば、アイドルへの理解が薄かったであろう両親への「カモフラージュ」のために、大学院修了後の2022年4〜7月の約4カ月間だけは、銀行員とアイドルを兼業。

両親に内緒で退職手続きを進め、実家では一言「辞めるから」と結果だけを伝えた

ステージに立つ雲丹うにさん
ツインテールもトレードマーク。ステージでの立ち姿はさながら“ヒロイン”のよう(写真:カネコシュウヘイ)

退職後は銀行のボーナスも含めた貯金を使い、念願の一人暮らしもスタート。本人の願いどおり、親元から離れたのち、専業アイドルとしてステージに立ち続けている。

アイドルは「向いている」と自信満々。

人を「褒めるのが得意」と自称する雲丹は「ファンの方々に直接『うれしい』『好きだよ』と伝えられる仕事は天職」と笑う。

今、力をそそぐグループ「Mirror, Mirror」でいつか「日本武道館のような大きなステージ」へ立つために。

「より上を目指したい」と語る表情には、覚悟があらわれていた。

*この記事の続き:「東大→東大院修了」高学歴アイドル悩む"肩書の葛藤"

カネコ シュウヘイ 編集者・ライター

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Shuhei Kaneko

1983年11月8日生まれ。埼玉県出身。編集者・ライター。成城大学文芸学部卒。20代後半に自動車系雑誌の編集プロダクションから独立。以降、フリーランスとして活動を続ける。ライブへ月4〜5回通うほど根っからのアイドル好きが講じて、2014年頃からはエンターテインメント分野を中心に、取材・執筆へ尽力する。雑誌、Web、書籍と媒体は問わず。ブックライターも担う。

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