「肉体美」と「健康」を同時に手に入れる筋トレ法 定説の「10回×3セット」は正しいのか?

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ーー筋肉をつけたい人たちの中には、「10回×3セット」の筋トレを習慣にしている人が多いと思うのですが、これはそもそも正しいトレーニング法ですか?

トレーニングの大原則として、同じ刺激を与えると身体が慣れてしまうという点があります。実はウエイトトレーニングにおいては、「10回実施する」のは多めの回数であり、強度としてはそこまで高くしづらいんです。

10回3セットの筋トレをやり続けていると、身体が刺激に慣れて、筋肥大や筋力向上が停滞してしまいます。それを例えば、5回で実施すると、10回のときよりも重たい重量を扱えますよね?

違う刺激を加えた後で、また10回で実施すると、前よりも重たい重量を扱えて、トレーニング効果が大きくなります。10回で実施するのが良くないわけでなく、10回でずっとやり続けるのは効率的ではないというニュアンスですね。

ーー自重トレーニングだと高強度はなかなか難しいので、やはりウエイトトレーニングが欠かせないということでしょうか?

そうともいえません。アスリートでも遠征先でバーベルなどの器具がないこともありますし、アイデア次第で高負荷にすることはいくらでもできます。自重トレーニングでも、限界まで追い込めば十分に筋肥大の効果は得られますよ。

ただ、30回も40回も繰り返せる人はなかなかいないかと思います。子どもを背中に乗せるとか、パートナーに背中を押してもらうといった方法であれば、強度を上げる分、回数を減らせて効率よく筋肥大できます。

ーー回数に変化をつけたほうが良いということは分かったのですが、やはり「3セット」が理想ですか?

「3セット」が一般的に浸透しているようですが、私がアスリートを指導するときには「5セット」や「6セット」にすることもあります。理由は、1週間トータルでおおよそのセット数を決めて、その後に各日のセッションに分配しているからです。

1週間トータルで約10セットと考えたら、週2回トレーニングできるなら1回5セット、週3回トレーニングするなら1回3セット、という感じで変化させることもありますね。

ただ、おおむね週2〜3回するなら1回あたり3セットやっていれば効果は出るという意味では、妥当なセット数ともいえますね。

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