ニクソンが静寂のためにしたこと
リチャード・ニクソンはひどいクエーカーだった。ホワイトハウスから漏出した多数のテープが実証しているように、やたらに口汚く罵った。
クエーカーとして信仰上の理由から良心的徴兵忌避をせざるをえなかったので、第2次世界大戦中は戦場に出るのを避けることができたものの、後にアメリカの第37代大統領としてヴェトナム戦争を段階的に拡大し、カンボジアに対して壊滅的で違法な爆撃を実施した。
彼が、政敵や、彼らに不利になる材料を執拗に追い続けていたことが、ウォーターゲート事件の調査で暴露された。「汝の敵を愛せよ」という、子ども時代から親しんできた宗教を特徴づける倫理的な教義には、ほとんど関心がなかったらしい。
それでもリチャード・ニクソンは、アメリカ史上2人しかいないクエーカーの大統領として(もう1人はハーバート・フーヴァー)、静寂を崇める宗教の信奉者にふさわしいことを1つした。
ニクソンは、もっぱら騒音を管理するための、アメリカ初の政治体制を発足させたのだ。



















