2023年上半期「売れた商品ランキング」関東版 全国と比べて売れたもの、売れなかったものは

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続いて、販売金額が落ちたものランキングを確認しよう。2019年との比較で全国との差が顕著に出たのが8位の玩具メーカー菓子。大ヒットしたテレビアニメのおまけ付き商品のブームをきっかけとして、市場が急成長した。コロナ禍の外出自粛により家でテレビアニメなどのコンテンツを見る機会が増え、関連商品の人気が高まっていた。

東京都や神奈川県などでテレビアニメと関連したイベントが頻繁に開催されており、関連商品を取り扱う店舗が多いことから、玩具メーカー菓子への関心も底堅く推移したものと考えられる。

3位の麦芽飲料も、2019年比で200.7%と2倍を超える規模を維持。麦芽飲料の人気は、2020年に鉄分豊富で貧血予防の効果があるとSNSで話題となったことがきっかけとされる。女性や高齢者で貧血予防のために購入する動きが広がり、情報感度の高さからか関東で2020年にとりわけ大きく伸長した結果、依然として他の地域よりも高い水準を維持しているようだ。

成長の勢いが他の地域よりも弱かったオートミール

一方、全国よりも2019年比が抑えられているのが、10位のオートミール。2019年比で931.7%と大きな伸びを示しているものの、全国と比べて210.9ポイントも小さい。

オートミールは、コロナ禍に健康やダイエットによいと注目され急速に成長した食品だ。急成長前の2019年上半期の段階では、関東で金額シェアが50%以上を占めており、関東を中心とする市場だった。人気が高まるにつれ、他の地域でも販売が広がり、2023年上半期には関東の金額シェアは40%程度にまで減少している。元々の市場が大きかった分、成長の勢いが他の地域よりも弱かったと見て取れる。

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