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栗山英樹「決死の覚悟」で大谷やダル招集した経緯 WBCまでに栗山氏がノートに書き記した言葉

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  • 栗山 英樹 北海道日本ハムファイターズCBO

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WBC表彰式(写真:時事)
WBCで日本代表監督を務めた栗山英樹氏が、監督任命から優勝までの日々を振り返った書籍『栗山ノート2 世界一への軌跡』より、一部抜粋・再構成してお届けします。

先入観は軽く、予備知識は重く

選手選考を進めていくにあたって、私はかつて教えを受けた野村克也さんの言葉をノートに書きこみました。「先入観は軽く、予備知識は重く」というものです。

先入観というものは、私たちの日常の至るところで顔を出してきます。対人関係においては、「あの人はいつもこういう態度をとる」とか、「どうせ自分のことは評価していないんだ」といった思い込みや決めつけと言うことができるでしょうか。

先入観にとらわれると、思考が止まってしまいます。自由な発想が生まれません。「自分はあの人に好かれていない」との思いに凝り固まっていたら、その人との関係は改善されないでしょう。

選手選考にあたっては、「あの選手はこういうタイプだ」とか、「あの選手にこういうプレーはできないだろう」といった先入観を、徹底的に排除していきました。頭のなかで穏やかな水面を思い浮かべ、すべての選手の可能性を評価していきました。

野球における予備知識は、主にデータを指します。メジャーリーグでも日本のプロ野球でも、いまやデータによる分析は欠かせません。

チームにはスコアラーだけでなくアナリストがいて、「この打者を打ち取るには、こういう軌道のボールが有効です」とか「この投手はこういう打者を得意にしている(苦手にしている)」といったデータが出てきます。私の現役当時は「今日の相手投手は球のキレがある」とか「球が重い」といった感覚をチーム内で共有したものですが、現在は選手を評価する根拠として客観的なデータが活用されています。

予備知識としてのデータは、豊富に持っていたほうがいいでしょう。ただ、実際に使う際には取捨選択するべきです。いつ、どこで、どのデータを、どのように使うのかは、しっかりと計算しなければならない。データを詰め込み過ぎて、選手が混乱したら本末転倒です。

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【自分を犠牲にしても他の人を助ける心が利他の心】

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