開始まであと90日「インボイス制度」のインパクト 424万の免税事業者だけでなく大半の企業が影響

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「インボイス完全マニュアル」特集バナー
インボイス制度は、個人事業主ばかりか会社員、国民全体に影響を及ぼす
10月1日から消費税の「インボイス制度」が始まる。およそ90日後と迫る中、『週刊東洋経済』6月26日(月)発売号では「インボイス完全マニュアル」を特集。インボイスの基本から個人事業主の対処法、免税事業者と付き合う方法まで解説。さらに2024年から本格開始となる改正電子帳簿保存法のポイントにも触れる。(この記事は本特集内にも掲載しています)
『週刊東洋経済 2023年7/1特大号[雑誌](インボイス完全マニュアル)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

「インボイス増税反対!」

6月14日、国会議事堂の正門前では1500人余りの人たちが拳を上げながら叫んでいた。

集まったのは漫画家をはじめ、声優やイラストレーター、ウーバーイーツの配達員などさまざまな職種の個人事業主たち。10月1日から始まるインボイス制度(正式名称は「適格請求書等保存方式」という)に反対していたのだ。

「インボイス全国一揆」と名付けられたこのイベントに参加していた30代男性は、「インボイスを発行できないなら取引をやめると言われた。負担が増えたら生活できなくなる。すでに廃業した仲間もいる。絶対に反対だ」と声を荒らげた。

大半の企業にも影響が及ぶ大改正

彼らが怒るのには理由がある。インボイス制度が始まると、これまで納税を免除されていた小規模事業者たちに納税負担が発生。負担を拒めば値下げを要求されたり、契約を打ち切られたりする可能性があるのだ。

国会前に集まった個人事業主たち。インボイス反対のシュプレヒコールが起きた(撮影:尾形文繁)

インボイスを簡単に表現すれば、「売り手が買い手に発行する消費税の納税額の証明書」のこと。それを発行するだけなら大したことではないと思いきや、そうではない。消費税の計算方法が根底から変わり、個人事業主をはじめとする小規模事業者はもちろん、大半の企業にも影響が及ぶ大改正なのだ。

次ページ[図解]消費税の負担と納税の仕組み
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