"かすり傷"放置で「片腕切断」25歳男性の驚く顛末 「医師宣告を動画配信」する超前向きな人生観
男性の名前は、宮野貴至さん(25歳)。このとき(2022年6月)は、都内の大学に通いながら芸人を目指していた。宮野さんは医師の話に黙ってうなずき、診察室には言葉を選びながら話す医師の声だけが響いている。
医師「手術として外科的にやるとなると、かなり厳しい話ですけれども、左の肩ごと、上腕骨、肩甲骨も含めて手を取れば、治る確率はあると思うんです。
ただもちろん、それってかなりご本人にとっても、利き腕ではないにしてもね、手がなくなっちゃうし、生活だって変わっちゃうから、すごく決断としては難しいし、もう一つは、血管肉腫自体の治療成績って、あんまり実は良くないんですね……」
ここで医師は少し言いよどんで、宮野さんに投げかける。
医師「数字で言ってもいい? 数字で言うと、大体2年後に助かる人が半分なんですよ、2年後に命がある人が半分」
まさに寝耳に水の話だった。隣に座る付き添いの両親は、一人息子への残酷な宣告にどんな顔をしているのだろう。両親の気持ちを考えると、心が苦しくなった。
かすり傷の「かさぶた」をくり返しむいていた
話は5年ほど前にさかのぼる。その当時宮野さんは、左手の親指にしこりがあるのを感じていた。だが痛みはなく、普段通りの生活送っていた。あるとき、仲間とバスケットボールをしたという。その際、親指のしこりにボールが擦れ、かすり傷を負ってしまった。
すぐにかさぶたになったが、誰しも経験があるように、かさぶたが気になってむいてしまった。それが生傷になり、またしばらくすると、かさぶたになる――そんなことを5年ほどくり返していたという。
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