持続化給付金の場合、税理士の関わるケースが散見された。
持続化給付金制度とは、売上高が前年同月比で50%以上減っているなどの要件を満たした事業者に対し、最大200万円が支給されるというものであった。現在は制度が終了している。
事業を行っていなくても、偽造の確定申告書などを提出すれば、個人事業主になりすまして給付金をだまし取ることができたため、詐欺が横行。悪知恵の働く者は、事業主になりすます“事業主役”を探して給付金を申請させ、だまし取った金の一部を上納させた。
経済産業省のキャリア官僚2人がペーパーカンパニーを偽造したり、グループの指示役がインドネシアで逮捕されたりした事件をご記憶の人も多いと思われる。
この手の犯行で荒稼ぎするためには、いかに多くの事業主役を集めてくるかがカギになる。首謀者集団はSNSや口コミで探し回る。だが、事業主でないのに事業主のふりをするのだから、誘われた人間は「こんなことをして大丈夫なのか」と疑問を持つ。
利用された国家資格=税理士の信用
詐欺罪で逮捕されるリスクがあるとわかっていれば、ほとんどの者は事業主役を引き受けない。首謀者集団は事業主役に「犯罪ではない」「警察沙汰にはならない」と思わせる必要があった。
ここで、事業主役の候補者を信用させるための手段として、税理士の信用が用いられたのである。
すなわち税理士が確定申告書を作るなどの形で関与し、「税理士がいるなら安心」と思わせたことで、結果的に事業主役を引き受けさせた形になる。ほかにもよくある手段としては、本物でなく、にせの税理士を用意するなどの手口が目立った。
事業主役は首謀者の指示に従って、事業の内容や売上高の推移を税理士に伝え、書類作成を依頼。税理士も言われるままに書類を作成・提出することで犯罪に加担してしまったのだ。
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