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ビジネス #震災10年の津波被災地をたどる

各地で増える「Suica対応」ローカルバスの利便性 岩手沿岸中部を走るバスは種類が多い・山田編

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再建された三陸鉄道の陸中山田駅。待合室にはバスの発車時刻案内がある(筆者撮影)
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大槌町の北端の浪板は、そのまま岩手県交通の路線バス網の北端だが、2019年3月23日に三陸鉄道リアス線として釜石―宮古間の運転が再開されるまでは、同社のバスは町境を越え、山田町の道の駅やまだまで乗り入れて、宮古駅前―道の駅やまだ―田の浜間を国道45号経由で走る岩手県北バスと接続、鉄道の輸送を代替していた。

人の流れの「分水嶺」

震災以前は、町境に近い四十八坂で両社が接続していた時代もあったが、やはり人の流れが途切れる「分水嶺」であり、観光客が自家用車へ移行してしまうと、路線を維持するのは難しかったようだ。

浪板海岸駅から三陸鉄道の列車で山田町に足を踏み入れたのは、4月7日の木曜日。7時35分に岩手船越駅に着く。

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岩手船越駅付近を走る三陸鉄道。背後が鯨と海の科学館(筆者撮影)

ここは本土と近くにある島が砂州でつながった「陸繋島」と呼ばれる半島地形で、南北から湾が切れ込んでいる。半島(船越半島)を大回りするより、船を陸に上げ、くびれた部分を越した方がよほど早そうで、それゆえ船越と地名がついたと納得できる。

東日本大震災時には南北から津波が押し寄せ、海がつながってしまった。集落や駅はやや高いところにあるので助かったが、当地の観光資源でもあった鯨と海の科学館や海水浴場は大きな被害を受けた。科学館は営業を再開できたが、岩手船越駅前の観光案内所は閉まったままだ。

岩手船越駅と道の駅やまだの間は歩いて10分もかからないので、鉄道が不通だった時期には、バス乗り継ぎの合間に船越を何度も歩いており、懐かしい土地だ。

船越駅前からは8時23分発の田の浜行きに乗車。宮古駅前から津軽石、山田駅前などを経由する幹線系統の南端区間だ。田の浜は岩手船越駅から見ると南側の湾(船越湾)の対岸で、船越漁港はそちらにあるからバスも直通している。

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【「地域連携ICカード」を導入】

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