9月11日に米国は、2001年に発生した中枢同時多発テロから20年の節目を迎える。テロ後生まれの世代が人口の約4分の1に達しており、若い世代への記憶の継承が課題となっている。
現在の米国では大学に通い始めた世代ですら、同時多発テロをリアルタイムでは経験していない。学校教育においても、19年に全米の教師を対象に行われた調査によれば、中学校では2割弱、高校でも1割強の教師が、授業時間の不足などを理由に同時多発テロを教えていなかった。
授業で同時多発テロを取り上げている教師たちも、遠ざかる事件を教える難しさを感じている。前述の調査では、適切な教材の不足や生徒側の知識の欠如、さらには陰謀論的な解釈の広がりなどが、課題として指摘されている。
若い世代への継承を支えようとする動きはある。今年になって米国では、同時多発テロの啓蒙に取り組んできた2つの組織が、若い世代を意識した活動を相次いで始めている。
同時多発テロの現場となったニューヨークの「国立9月11日記念館・博物館」は、教師の取り組みを支えるための基金を創設した。集まった資金によって、教育現場で使える映像資料などの整備を進める方針だ。
ペンシルベニア州を拠点に活動する「フライト93国立記念館」の支援団体は、若い世代の勇気ある行動を表彰する取り組みを始めた。
同団体の取り組みには、勇気ある行動を共通項として、若い世代と20年前の出来事を結ぶ狙いがある。同時多発テロでは、ハイジャック機の1機が乗員・乗客の反撃により墜落し、議事堂などの枢要な施設の被害が回避された。その墜落地に設けられたのが同記念館である。
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