「大気圏はとても小さくてもろい。頭で理解はしていたが、自分の目で見るのは別だ」
米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏が7月、自身が設立した宇宙開発ベンチャーの初の民間宇宙飛行に参加した。地球への帰還後に語った中に冒頭の発言があった。
宇宙から見た地球の映像など何度も見ているはずだが、高度100キロメートルから自分の目で地球を見るのはまったく別ものだったに違いない。環境問題に関心を持つベゾス氏が、人間の活動が地球やその大気をどれだけ傷つけているかを実感したことがうかがえる。
「百聞は一見にしかず」はベゾス氏ほどの人物にも当てはまるようだ。そして、離れた所から眺めて初めてわかることがある。
老眼が社会で進んでいる
東京五輪が終わった。賛否両論あったものの、アスリートの活躍によって大会そのものは盛り上がった。一方、運営をめぐる日本政府や大会組織委員会のドタバタ劇は目を覆わんばかりだった。
リーダーによる性差別的な言動や弱者への配慮のない行為があらわにしたのは国際社会の常識からずれている日本の姿だった。
にもかかわらず、「美しい国」「おもてなしの国」などと自賛して悦に入っていた。自分の足元さえ見えない「老眼」が社会全体で進んでいるのだろう。
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