東京五輪に海外からの観光客は来られなかった。選手や関係者も自由に街を歩き回ることはできない。日本の伝統文化や「おもてなし」を体験してもらう機会がなくなってしまった。
そのこと自体は残念だ。一方でこうも思う。「日本は本当におもてなしの国なのか」と。
外国人が1週間程度滞在するなら日本は非常に快適だ。街は清潔で、食事は安くておいしい。国民は総じて親切だ。しかし、おもてなしはよそ者扱いと表裏一体であり、日本社会の底流には強烈な排他性が残っていると感じている。
日本の伝統文化に触れた外国人が気に入って仲間入りしたいと思っても実現は難しい。歌舞伎や日本舞踊などで一流の演者に外国人がどれだけいるだろうか。日本の伝統文化は世襲の色が強く、外国人どころか、日本人であってもよそ者を受け入れるシステムが整っていない。
相撲は外国人力士が活躍している。しかし、親方制度など運営面を含めた相撲界という意味では逆に排他性が目立っている。料理の世界も同様だ。日本料理で活躍する外国人料理人もゼロとはいわないが、決して多くはない。
海外はどうか。コロナ禍前に英ロンドンで見たミュージカルの主人公を演じていたのは北アフリカ出身の女優だった。英ロイヤル・バレエ団では熊川哲也さんや吉田都さんらが最高位であるプリンシパルを務めていた(現在も日本人のプリンシパルがいる)。
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