最近、周りに起業したいという人が増えた。実際に法人を登記して会社を立ち上げた知人もいる。会社を辞めて起業する(した)という話も聞くが、大企業に所属したまま副業で稼ごうという者も少なくない。ほとんどの場合、彼らは稼げる優秀な人材だ。
彼らの背中を押したのは起業をめぐる環境の変化だ。さまざまな代行ビジネスがあり、しかも割安で利用できる。営業、経理、秘書業務……事業が拡大すれば採用や研修まで一通りそろっている。これら代行業自体を個人請負やギグワーカーが担っていることも多い。スモールビジネスを可能にする「持たざる経営」の生態系が出来上がりつつある。
こうした流れはコロナ禍で加速している。打ち合わせならZoomで行える。対面が必要な場合だけ貸会議室を使えばよい。普段なら喫茶店で十分。固定費の最たるものである家賃を払ってオフィスを借りなくてよくなった。
副業のハードルも下がった。在宅勤務によって通勤時間はなくなり、本業で一定の成果を出していれば自らの労働力配分に裁量の余地は大きい。就業規則によっては無断の副業は問題となるが、副業を認める企業も出てきている。
取り残される大企業
一方、こうしたビジネス環境の変化の波にいま一つ乗れないのが大企業だ。アウトソーシング活用による業務のスリム化効果は大企業のほうが大きいかもしれない。ただ、そうすると営業、経理、人事などに長年従事してきた社員の処遇が問題になるからだ。
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