中国ネット配車最大手の滴滴出行(ディディ)が、中国のネット規制当局からアプリ配信の停止を命じられた。同社のアプリに個人情報の収集・使用に関する重大な法令違反があるとして、7月4日、国家インターネット情報弁公室が決定を発表したのだ。
当局はディディのアプリの問題点に関する通報を受けて調査・検証を行い、中国のサイバーセキュリティー法に基づく必要な措置を取った。同弁公室はディディに対し、「法律の要件や政府の基準を厳正に順守し、アプリの問題点を真摯に修正して、ユーザーの個人情報のセキュリティーをしっかり確保する」ように求めている。
この措置についてディディは、「規制当局の要求を着実に履行し、すでに7月3日から新規ユーザーの登録を停止している。アプリに関しては当局の指示に従って配信を停止し、問題点を修正する」とコメントした。なお、アプリをダウンロード済みのユーザーは、これまでどおりディディのサービスを利用できるとしている。
2019年以降、中国当局はネット企業のデータセキュリティーや個人情報保護に対する監督を強めてきた。国家インターネット情報弁公室、工業情報化省、公安省などが共同で、これまでに数十回の調査を実施。関連法規に違反しているアプリの運営企業に改善を指示し、対応が不十分な場合には、アプリ配信の停止を命じてきた。
今年4月中旬、中国のネット企業に対する監督・管理が強化される中で、ディディは秘密裏に米国での上場の準備を進めていた。複数の監督当局に近い人物が「タイミングが悪い」と直言していたにもかかわらずだ。ディディの祖業である配車予約や、新規事業の社区(コミュニティー)での団体購入や貨物輸送は、当局が監督を強める最も政策リスクが高い領域だ。「監督当局はディディの香港市場での上場さえ支持しなかったのに、どうして米国市場に行けると思ったんだ」(事情を知る人物)。
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