有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #Inside USA

ギグワーカー保護法の波紋 請負業者か従業員か

3分で読める 有料会員限定
コロナ禍の外出制限により、食品、料理配達の需要は全米で急増した(ロイター/アフロ)

3月9日、バイデン政権が推す「PRO Act」法案が米下院を通過した。ギグワーカーなどの労働組合結成や労組活動を促進し、生活水準向上を目指す「団結権保護法」だ。成立すれば、歴史的な労働法改革になる。

同法案には、ストライキを行った従業員の解雇禁止など、「親労働者」条項が並ぶ。とくに注目を集めているのが「ABCテスト」と呼ばれる項目だ。同テストは、労組結成を望むライドシェアの運転手や宅配配達員などの「請負業者」を「従業員」に再分類することで、ギグワーカーの労組結成や交渉を可能にするのが狙いだ。 

ギグエコノミー企業が彼らを「請負業者」だと主張するには、「業務遂行に関し、管理・指示下に置いていないこと」など、3要件を満たす必要がある。米イリノイ大学ロースクールのマイケル・リロイ教授の見立てでは、ライドシェアの運転手などが要件を満たさないのは確実だ。そのため、米ウーバー・テクノロジーズや料理宅配企業などが猛反発している。

ウーバーの上級広報・政策担当マネジャーは筆者の取材にコメントは出さなかった。だが、参照するよう言われた業界団体「アプリベースの職業同盟」のウェブサイトには、ABCテストが「米労働者に不確実性をもたらし、米経済の大混乱を招く」とある。

米国ではコロナ禍で、料理宅配大手ウーバーイーツや食品配達大手インスタカートの需要が急増。米決済サービス「ダビンチ・ペイメンツ」の報告書(1月)によると、2020年のギグワーカー数は前年比2300万人増の9300万人だった。彼らは福利厚生などがない経済的リスクに加え、感染リスクも負っている。63%には本業があるが、ギグワーカーの半数は、世帯年収が5万ドル以下だ。専業でも平均年収は「従業員」の6割未満、という統計もある。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数