トランプ大統領は去ったといっても共和党に隠然とした力を残した。弾劾有罪を逃れた1月の連邦議会襲撃事件などを理由に今後刑事責任を問われ政界を追われても、トランプ現象の力を使ってポピュリズム政治を継承しようとする次の共和党政治家が出てくる可能性が高い。共和党は右派ポピュリズムのトランプ派と、レーガン政権以来の保守主義に戻ろうとする守旧派に割れている。
他方で、民主党をみれば、民主社会主義者を名乗るサンダース上院議員を中心とする急進左派は勢いを増しているが、バイデン政権発足に当たっては中枢から排除された。金融や巨大IT企業の利権に結び付く民主党主流派で陣容を固めた新政権の体質に左派は批判的だ。民主党はそうした主流派と、左派ポピュリズムのサンダース派に割れている。
トランプ氏やサンダース氏のような2大政党の主流とはまったく異質な政治家が大統領になったり、大統領候補指名寸前に至ったりして、両党で大きな力を振るうのは異例だ。かつて民主党が保守的な南部議員を多数抱えて党内が真っ二つに割れていたときは、非主流の保守派は第3党を結成して大統領選に挑んだりした。今はトランプ派やサンダース派はあくまで党内にとどまり、2大政党を乗っ取る動きに出ているところが、歴史的にみても興味深い。
2大政党はイデオロギーで左右に分断されているというのが一般的な理解だが、話はそれほど単純ではない。トランプ派とサンダース派は左右の両極端に見えても、ともにエリートに対する大衆の怒りを背景にしたポピュリズムだから、不思議と一致することもある。
コロナ対策で合う歩調
バイデン政権最初の新型コロナ対策景気刺激策は、昨年末にトランプ政権下で旧メンバーの連邦議会が最後に可決した刺激策の続きだ。年末の刺激策まとめに当たっては、国民への現金直接給付額をめぐって、トランプ氏とサンダース氏の共闘という局面が見られた。
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