「技術障害」。1月末時点でサイト上にこう表示しているのはSNSのパーラーだ。ツイッターやフェイスブックに対抗する「オルタナティブテック」を掲げるパーラーは、9日にアマゾンがクラウドサービスの提供を停止して以来、この状態となっている。同日、グーグルとアップルからのアプリ提供も停止され、ユーザーが利用できない状況だ。
事の起こりは、6日にワシントンで発生した連邦議会議事堂襲撃である。トランプ大統領(当時)支持者を中心とする暴徒化した集団が、バイデン次期大統領を承認する合同会議中の議事堂内に乱入した。5人の死者が出たばかりでなく、民主主義の象徴である議事堂を踏みにじる行動に大きな批判が集まった。その彼らが計画を練っていた場がパーラーだったのだ。アップルやグーグル、アマゾンはいずれも、サイト上の不適切なコンテンツを放任してきたことをパーラー停止の理由とした。
パーラーは、2018年にネバダ州で創設されたスタートアップ企業だ。共同創設者はCEOジョン・マッツェと、デンバー大学でともにコンピューター科学を学んだジャレド・トムソン。サイトの売りは、「表現の自由を守る唯一のSNS」だった。
特徴はまず投稿内容を検閲しないこと。そしてツイッターやフェイスブックのようにアルゴリズムを利用してユーザーを分析し、プロフィールに合うフィードを表示するようなことはしないので、プライバシーが守られるという。
創設資金を提供したのは、保守系への多額の寄付で知られるレベッカ・マーサー。ヘッジファンドで巨額の富を得た父親ロバート・マーサーは有名なトランプ支持者だ。
ユーザー数が急に膨れ上がったのは20年になってからだ。同年初めに100万人だったユーザー数が、21年1月には1500万人に。増加のきっかけは、20年5月にツイッターが「郵便投票は不正を生む」とするトランプ大統領のツイートに注意喚起のフラッグを立てたことである。
この記事は有料会員限定です
残り 616文字
