バイデン政権が防衛政策の見直しを進めている。テーマは米軍の国外展開と中国への対抗策。いずれも日本の安全保障に直結する内容だ。国防総省が先日発表した2つの政策見直しは4〜6カ月で提言をまとめる予定。かなり短期集中型の作業となる。
その1つがグローバル・ポスチャー・レビュー(GPR=在外米軍の態勢見直し)だ。ブッシュ(子)政権では2004年の公表までに3年を費やし、在韓米軍の縮小、グアムの戦力増強などにつながった。オバマ政権の軍事再編は足取りこそ緩やかだったものの、外交・経済を含む広範な「アジアへのリバランス」戦略の一翼を担った。今回は作業時間が限られ、大胆な提言となる可能性は高くない。それでも新たなGPRは重要な方針変更の土台となりうる。
これと密接に関連してくるのが、国防総省が新たに設置したタスクフォースだ。中国専門家のラトナー国防長官特別補佐官が率いる同タスクフォースの任務は、中国に対する防衛戦略の立案。検討課題は作戦概念から軍事技術、展開態勢、アジアの同盟・友好国との協力まで多岐にわたり、新たなGPRと共鳴し合う関係にある。GPRと違って提言は非公開となる予定だが、同盟国とはすり合わせの場が持たれ、結論も共有される。
中国抑止の軍事シフト
その内容はある程度目星がつく。というのは、ラトナー氏を筆頭とする政府外の有識者が昨年、似たような報告書を議会に提出しているからだ(当時ラトナー氏は新アメリカ安全保障センターに在籍)。同報告書は中国に対する抑止力強化を訴えた。代償覚悟で野心を遂げようとする中国には単なる制裁では足りず、強力な抑止力で行動そのものを思いとどまらせる必要がある、との立場だ。具体的な紛争シナリオに基づく作戦概念も求めた。ここには同盟国との軍事連携も含まれる。前方展開部隊の強靱化、地上配備型の長距離精密攻撃システムの増強も勧告している。
この記事は有料会員限定です
残り 676文字
