日本の株価が堅調だ。東証株価指数は年初来10%以上上昇し、30年ぶりに2000ポイントの大台に乗せた。世界の主要株価指数の中でも日本株のアウトパフォーマンスが目立つ。外国人投資家も1月、2月と日本株の買い越しに転じている。
こうした中で日本銀行がETF(上場投資信託)購入について、下限となっていた原則年6兆円という目安を廃止したことは当然であろう。株価指数が30年ぶりの高水準まで上昇したにもかかわらず、東京証券取引所の時価総額の7%をも保有する中央銀行がまだ株を買い続けるのは、健全な市場とはいいがたい。市場にネガティブなメッセージを送らないために12兆円の上限を残したことは仕方ないにしろ、今後株価が多少下落しても機械的に安易に購入を再開することは避けてもらいたい。
筆者は財務省・日銀による為替介入の経験則に照らすと、日銀が株の購入をやめたほうが株価は上昇しやすいのではないかと考えている。
実は為替市場では、円高阻止を狙って多額の円売り介入が行われている間は円高トレンドが終わらないという経験則がある。直感的には違和感があるかもしれないが、ほぼ毎回、円売り介入が行われている間は円高トレンドか、またはドル円相場のレンジが極端に狭い状態が続く。そして、円高阻止を諦めるような形で円売り介入をやめると、しばらくして円安方向に反転を始めるという経験則がある。つまり、円売り介入に効果がないとはいわないが、効果は介入をやめないと顕現しないということである。
なぜ、こうしたことが起こるのか。筆者は市場原理に基づいて考えればこうした現象は納得がいくものと思っている。
買いは売りを誘う
市場は実体経済を映す鏡であり、ごく短期的にオーバーシュートすることはあっても、ほとんどの場合、市場が示している価格は正しいという原理に基づけば、財務省・日銀による円売り介入で、実体経済に比してドルは円に対し割高となる。割高になっていったん落ち着いたところでは、市場はドル売り・円買いポジションを形成するのが自然なのだ。しかも、財務省・日銀が取引相手になってくれるので、ドルを売ってほかの通貨を買いたいと考えていた実需・投機筋が皆ドル円相場に集まってきて、とりあえず割高な水準でドルを売れる間はドル売り・円買いを行おうとする。
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