2月17日、わが国でもいよいよ新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。医療従事者、高齢者の順に、速やかに接種が進み、集団免疫が獲得されることに期待したい。
新興国は新型コロナ感染の第1波による経済の下押し圧力を、潜在需要の強さや景気刺激策を追い風に比較的急速な回復で押しのけた。だが、現在は新たな感染拡大により、貿易回復の鈍化、高失業率といった逆風に直面している。行動規制は初回ほど厳格ではないが、経済活動は大幅に制限されている。事態の正常化には、感染の抑制へ向けた集団免疫の獲得が必要である。
新興国にばらつき
しかしながら、ワクチン接種に関しては、新興国間に大きなばらつきが生じている。ワクチン供給量が限られているため、この差は簡単に解消しない。ジョンソン・エンド・ジョンソンとノババックスのワクチンが近く規制当局に承認される可能性が高いことに加え、ほかの数十種類のワクチン候補の試験が進められているなど、新たなワクチンが追加される期待はある。とはいえ、1月終盤時点の既存の生産契約を前提に試算すると、2回の接種を受けられるのは、世界の人口の半分強にとどまる。
イスラエルやアラブ首長国連邦など一部の中東諸国は早期にワクチンを確保し、接種を開始したため、今年3月末までには集団免疫を獲得できる見込みである。チリや中欧4カ国も、導入ペースが加速してきている。他方、懸念される国としてはメキシコとアルゼンチンがある。メキシコはワクチン導入において、ファイザー、アルゼンチンはロシアのガマレヤ研究所といった需要の高い少数のメーカーに依存したために、大幅に導入が遅れた。ワクチン接種が始まっていない国もある。韓国やタイなど第1波に比較的うまく対処した国がそうで、まだ余裕があるのかもしれない。
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