昨年11月の本欄で筆者は脱炭素・グリーン電化がテーマになり、商品相場のグリーンサイクルが到来すると予測した。3カ月後の今、銅を筆頭にグリーン電化に必要なメタルは軒並み高値を更新している。
車のEV(電気自動車)化で最も恩恵を受ける銅はコロナ危機下の昨春に4600ドルの安値をつけた後、11月に7000ドル、直近は9250ドルをつけている。電池材のニッケルも昨春の1万0900ドルから足元では1万9500ドルに。車の軽量化に不可欠なアルミニウムも1420ドルを底値に今は2150ドルまで上昇した(以上いずれも1トン当たり)。太陽光パネルで使用される銀は12ドルから28ドルへ急騰。燃料電池向けの白金も610ドルから今は1250ドルと2倍になった(いずれも1オンス当たり)。
一方、蚊帳の外に置かれたのは金だ。9月の本欄で金には実質金利がマイナスであること以外には特段のテーマがないと指摘したが、案の定、暗号通貨に食われてしまった。
そんな中、唯一、筆者の相場観と正反対の動きをしたのが原油である。昨年4月に米先物市場で価格がマイナス圏に沈んだが、産油国の協調減産と中国経済の復調によって1バレル当たり40ドルへの回復は、他商品と比べても早かった。筆者は、その後は航空燃料需要などの回復が遅れ、かつ産油国の減産の足並みが崩れて30ドルに反落する展開をイメージしていたのだが、実際にはコロナ前の水準である60ドルをやすやすと回復した。
ワクチンへの楽観論とコロナ緩和マネーによるインフレへの警戒感、加えてサウジアラビアによる日量100万バレルもの単独自主減産を好感した先物主導の動きである。実態経済と遊離して上昇する株式市場と似ている。総論的にいうと今の商品市場は中国ブームで沸いた2000年代を彷彿とさせる活況ぶりだ。
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