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デフォルト率の上昇はこれからだ 支援策により恣意的に抑制されただけ

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  • 中空 麻奈 かんぽ生命保険 エグゼクティブ・フェロー
なかぞら・まな 1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

ちぐはぐなGo To Eatや断続的な時短要請によって、飲食業を中心とする経営者が苦労を強いられている。帝国データバンクの調査によれば、2020年の居酒屋経営業者の倒産数は189と過去最多に上った。新型コロナウイルスの影響による破綻の件数は1月18日現在で900件を超え、負債総額は3619億円だ。

ところが、これだけのデフォルト件数があっても、流動性相場の中、大勢に影響なしで、金融市場は相変わらず強い。日本のみならず、世界中のクレジット市場でスプレッド(信用リスクの差による利回り)がタイトに(小さく)なっているだけでなく、デフォルト率の抑制に成功している。日本のデフォルト率は1.0%強にとどまっている。

支援策がデフォルト抑制

日本銀行の20年10月の「金融システムレポート」では、感染症拡大の企業財務への影響のシミュレーションが行われている。それによると、大企業は耐性が強い一方で、中小企業の短期資金不足は顕著であるとされた。加えて、講じられた各種企業金融支援(持続化給付金や実質無利子融資など)によってデフォルトの急増が回避されてきたほか、それら支援策なかりせば、飲食・宿泊・対個人サービスではデフォルト率が3%ポイント程度上昇、その他でも1%ポイント程度は上昇を余儀なくされたとのことだ。

支援策が功を奏して、デフォルト率があまり上がってこない状況は、欧米も同じである。デフォルト率は短期的には5%ポイント程度とはいえ上昇傾向にあるものの、長期的にはITバブル崩壊時の00年代初頭や07年以降の世界金融危機時と比べて低い水準にとどまっている。

しかしながら、デフォルト率は恣意的に抑制されただけなので、支援の枠組みがなくなれば上昇しかねない。程度の差こそあれ、下期に世界中の景況感が回復過程に入ると見なされており、場合によっては金利上昇もありうる。新型コロナの感染状況次第だが、景況感の回復と支援策の終了をうまくコントロールできるかが重大な課題だ。

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