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午後7時、東京駅からほど近い高層ビルのレストラン。ゼネコン勤務の50代社員A氏は、ガラス越しに聳(そび)える超高層ビルの建設工事を眺める。
トーチタワー。
完成すれば、日本一の高さを誇る高層ビルとなる。三菱地所が率いるプロジェクトで、ライバルの三井不動産が本拠地とする日本橋と東京駅の間に割って入る。
再来年の完成に向け、あちこちに電気が灯り、作業員が動き回る。
「ここ、赤字になるって噂があってね」
そう言って、ジョッキをあおぐ。
「なんせ、施工はあの清水建設だから」
2年前、清水建設は資材費と人件費の高騰を価格転嫁できず、大手ゼネコンで唯一赤字に転落した。
トーチタワーの契約は、その時期と重なる。
その後、清水建設は物価スライド条項などを盛り込み、施工管理を厳格化して業績を回復させた。
この物件も物価スライド条項などが盛り込まれていると信じたい。
だが、ここで疑問が生じる。
だとしたら、資材や人件費の高騰分は誰が払うのか?
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