長野県の東信地方、北佐久郡軽井沢町は、標高約1000メートルの高原にある。夏は涼しく、景観は美しい。明治時代以降、日本を代表する避暑地だ。
外国人居住者も多く、2020年時点で585人。欧米人が多く暮らすイメージが強いが、最近では中国人も多く、その数は89人。米国人の78人を上回る。
軽井沢はとくに首都圏在住者にとって憧れの避暑地で、現在も多くの芸能人、文化人や政治家、企業経営者などが豪勢な別荘を構えている。しばしば文学作品の舞台にもなり、有名なものとしては堀辰雄の小説『風立ちぬ』や『菜穂子』『聖家族』、内田康夫の推理小説『軽井沢殺人事件』などがある。
にぎわうのは半年ほど
別荘地としての評価に加え、長野新幹線が開通し東京から1時間強でアクセスできるようになると、この街の人気はさらに高まった。富裕層がこぞって別荘を購入、街の商店街である通称・軽井沢銀座は、夏になると別荘族に加え観光客でごった返す。その一方、この街の冬の寒さは水道管が凍るほどで、移住・定住のハードルが高い街といわれてきた。別荘族の多くは初夏から紅葉の美しい晩秋までの主に週末しか滞在しないため、街がにぎわうのは1年間のうちで半年程度といわれていた。
だが今、この街に変化が訪れている。要因はコロナ禍が続く中でのリモートワークの常態化だ。住む場所の制約から解放されたビジネスパーソンにとって軽井沢居住が現実のものとなってきたのだ。
これまで軽井沢に住むのは、自由な時間を持つ、アーティストやクリエーターであり、財を成した起業家やリタイアメント層に限られていた。ところがリモートワークの普及により、この街を「住む街、生活する街」の選択肢に加えることが多くのビジネスパーソンにも可能になったのだ。
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