伊勢市は三重県の志摩半島北東部にある、人口約12万4000人の街だ。この街にある伊勢神宮は神社本庁の本宗で、正式には「神宮」とのみいう。また、伊勢神宮は、市街地内にある外宮と、市街地の外れにある内宮で構成される。外宮は衣食住の守り神である豊受大御神(とようけのおおみかみ)を、内宮は天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祭っている。
お伊勢さんとも呼ばれ、多くの日本人が「お伊勢参り」をしてきた。江戸時代には、伊勢の街は鳥居前町として栄え、多くの宿泊施設や飲食、物販施設が集積した。
よく知られた街である一方、アクセスはそれほどよくない。伊勢市にはJR参宮線と近鉄山田線、鳥羽線が乗り入れるが、参拝客、観光客の多くは名古屋や大阪から近鉄でやって来る。近鉄名古屋駅から伊勢市駅までは特急利用で約1時間半、大阪難波駅からは約2時間かかる。東京駅から新幹線に乗るなら3時間20分コースだ。
だが多少不便な場所でも、凛(りん)とたたずむ伊勢神宮が人々をこの街に引きつけてきた。神道への信仰の有無は別として、ここには日本の文化と歴史が凝縮されている。そう感じる人は多いのではないか。
市は毎年観光客実態調査を行っているが、その調査によれば、伊勢市を訪問する観光客の何と26.7%は、訪問回数がすでに10回以上に及ぶ人たちである。多くの観光地が、なかなかリピーターを確保できないと悩む中で、伊勢にはこれだけの固定ファンが存在するということだ。
観光客数は、20年に1回行われる「遷宮」の年を除けば、おおむね600万人台から700万人台と安定している。遷宮とは、内宮、外宮などの正宮の正殿を建て替える儀式のことだ。
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