2030年代半ばまでに自動車の電動化を義務づけることを日本政府が検討している。電気自動車(EV)だけでなく、ハイブリッド車(HV)も認める方向だという。だが、真剣に脱炭素を考えるなら、エンジンを使うHVは除外すべきだ。そのうえで電動化を進めるに当たっては乗用車よりもトラックを優先するのが合理的だ。
自動車輸送は日本全体の二酸化炭素(CO2)排出量の15.9%を占める。そのうち自家用乗用車が53.5%、貨物車(トラック)が42.5%とほぼ二分される(残りはバスなど)。台数ではトラックは乗用車の約4分の1だが、走行距離が長く車体が重いため、1台当たりのCO2排出量が多い。
小型トラックでは一部にEV活用の動きもあるが、大型トラックのEV化は遅れている。長距離輸送が主体なので航続距離が実用に十分でなく、電池を大量に積んで航続距離を延ばそうとすれば積載量が減ってしまう。充電スタンド数が少ないことやガソリンの給油と比べた充電時間の長さといったEVの弱点が大型トラックでは致命傷になる。
そうした問題を考えると、トラックはEVよりも水素で走る燃料電池車(FCV)が適しているという考え方もある。実際、欧米、中国は大型商用車のFCV化に積極的に動き出した。日本も官民協調で水素戦略を打ち出している。
この記事は有料会員限定です
残り 448文字
