有料会員登録
ビジネス #「異例の年」から再起へ

AIも取り入れて若い世代に対抗する 名人が語る将棋の“今"|インタビュー/将棋棋士・名人(棋王・王将) 渡辺 明

3分で読める 有料会員限定
わたなべ・あきら 1984年東京都生まれ。2000年、史上4人目の中学生棋士に。04年に初のタイトル竜王を獲得。08年永世竜王、17年永世棋王の資格を取る。20年8月に名人を獲得。(撮影:梅谷秀司)
第91期ヒューリック杯棋聖戦で藤井聡太七段(当時、現二冠)と激闘を繰り広げた渡辺明名人。令和を代表するトップ棋士は昨今の将棋ブームや、AI(人工知能)との関わりをどうみているのか。

──かつて羽生善治九段が七冠を達成したときと、今回の藤井二冠フィーバーに違いはありますか。

羽生さんが七冠になった1996年は、インターネットが今ほど普及していなかった。今の時代はスマートフォンを通じて、リアルタイムで盤上の様子が伝わる。とくに20代や30代で将棋を見る人が増えているという印象はある。

羽生さんの七冠達成時も「将棋ブーム」といわれたが、今ほど将棋界の情報は多く出ていない時代だった。今は棋士が対局中に何を食べたとか、ちょっとしたことでもニュースになっている。

──藤井ブームをきっかけに、公開対局を見るために高額なチケットを購入するファンも増えました。

もともと将棋は大衆娯楽で、お金をかけて楽しむものではなかった。ただ、藤井二冠の活躍以降は、彼を生で見たいということもあると思うが、公開対局のイベントで高額のチケットが売れるようになったのも事実だ。すべての将棋イベントの料金設定を高くする必要はないが、いいものにはお金を払うという層が出てきたのは、将棋界にとっていいことだと思う。

将棋には「解がある」

──AIの進化で将棋の指し方が変化した印象はありますか。

プロでは早い人だと2015年ごろから、18年にはほとんどの棋士がAIを用いて指し手の研究をしている。その結果、将棋の指し方には「解がある」という考え方に変わってきた。かつては各棋士が独自の指し方を研究して、指し手に関しての見解もバラバラだった。それがAIの登場により棋士の中で共通認識ができて、指す将棋が似た感じになってきた面はある。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数