──かつて羽生善治九段が七冠を達成したときと、今回の藤井二冠フィーバーに違いはありますか。
羽生さんが七冠になった1996年は、インターネットが今ほど普及していなかった。今の時代はスマートフォンを通じて、リアルタイムで盤上の様子が伝わる。とくに20代や30代で将棋を見る人が増えているという印象はある。
羽生さんの七冠達成時も「将棋ブーム」といわれたが、今ほど将棋界の情報は多く出ていない時代だった。今は棋士が対局中に何を食べたとか、ちょっとしたことでもニュースになっている。
──藤井ブームをきっかけに、公開対局を見るために高額なチケットを購入するファンも増えました。
もともと将棋は大衆娯楽で、お金をかけて楽しむものではなかった。ただ、藤井二冠の活躍以降は、彼を生で見たいということもあると思うが、公開対局のイベントで高額のチケットが売れるようになったのも事実だ。すべての将棋イベントの料金設定を高くする必要はないが、いいものにはお金を払うという層が出てきたのは、将棋界にとっていいことだと思う。
将棋には「解がある」
──AIの進化で将棋の指し方が変化した印象はありますか。
プロでは早い人だと2015年ごろから、18年にはほとんどの棋士がAIを用いて指し手の研究をしている。その結果、将棋の指し方には「解がある」という考え方に変わってきた。かつては各棋士が独自の指し方を研究して、指し手に関しての見解もバラバラだった。それがAIの登場により棋士の中で共通認識ができて、指す将棋が似た感じになってきた面はある。
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