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ビジネス #「異例の年」から再起へ

1000年後に伝わる作品を撮りたい 映画・映像|インタビュー/映画監督 河瀨直美

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かわせ・なおみ 1969年生まれ。89年大阪写真専門学校卒業。97年の劇場映画デビュー作『萌の朱雀』でカンヌ国際映画祭新人監督賞を史上最年少で受賞。代表作に『殯の森』『あん』など。なら国際映画祭主宰。(撮影:aratadodo)
上映延期や制作中断に見舞われた映画業界。コロナ禍をどう乗り越えていくのか。最新作『朝が来る』が10月に公開され、東京五輪の公式映画監督も務める河瀨直美監督に聞いた。

──当初6月の予定だった『朝が来る』公開はコロナの感染拡大で4カ月延期されました。

渾身の力で作っても、映画館が開かないことには見てもらえないのはつらい。公開までに少しでも作品への興味を持ってもらいたいと、6月からインスタグラム上で出演者を呼んでのトークライブを続けてきた。非常時だからこそ監督である自分が創意工夫し、出演者の生の声を届けられないかと考えた。ファンにとっては、俳優さんの普段見られない一面が見られたと思うが、それで満足かといえば違う。彼らが演じる作品を見たいし、直接会えるトークショーに行きたいはず。コロナ禍が明けたとき「分断を超えた先の光」を一緒に分かち合いたい。今はそこへ向かう途中の仕込み期間なのだと思う。

──作品のテーマは「特別養子縁組」。養子が産みの親との法的関係を解消し、戸籍上は養親の実子となる制度ですが、なぜ今取り上げようと思ったのですか。

本作は辻村深月さんの小説が原作。「一回読んでみて」と人に薦められて手に取ったが、運命的な出合いになった。というのも私自身が養子縁組の子どもだから。私にとっての家族は、血のつながりだけではない関係の中で存在するもの。片や日本社会は養子に対して不寛容で「かわいそうな子」とみられてしまう。映画で養子の「朝斗」の視点を描くことで、家庭でたっぷり愛を受けて育ち、不幸せではないことを伝えたかった。

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