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「リスクのある投資」促進運動 人々のマインドに根差した傾向を変えるのは容易ではない

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柳川範之 東京大学大学院教授(やながわ・のりゆき)1963年生まれ。慶応大学通信教育課程卒業。93年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。東京大学助教授などを経て2011年から現職。主著に『法と企業行動の経済分析』『独学という道もある』など。(撮影:今井康一)

日本は世界的にみても失敗しないことが評価される国だろう。失敗やミスに対する許容度が低いといえるかもしれない。

学校のテストでも、ミスをしないで点数を上げることが重要視されるし、社内の評価でも、プロジェクトなどが失敗に終わらないこと、ミスのないことが大事だったりする。

もちろん、当たり前にできるべきことができないのは、例えば安全性という面で問題であるし、ミスがないように細かく気を配る傾向が製品やサービスの品質向上にプラスになっているのは事実だろう。

しかし、ここで課題として考えたいのは、それがリスクのあるチャレンジや投資を抑制する方向に働いてしまう点だ。

厳密にいえば、リスクのある選択をすることと、ミスをすることとは概念的には大きく異なる。前者は、うまくいかない可能性があることを事前に認識しながら、あえてその選択をしているからだ。

けれども、事後的に見ると、両者はなかなか区別しにくい。例えば、あるプロジェクトが失敗に終わったときに、それはその可能性があることを最初から認識したうえでの選択の結果だったのか、単なる判断ミスによる失敗だったのかは、判別しにくいからだ。

その結果、「リスクを恐れずチャレンジしろ」と社内で号令をかけながら、その一方で、チャレンジをして失敗した人は左遷されるといった、ちぐはぐなことが現実には起きてしまう。大胆なチャレンジは、あくまでも失敗をせずに実現させる必要性が出てきてしまう。

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