米トランプ大統領も感染するなど新型コロナウイルスは収まらない。インフルエンザとの同時流行も懸念される。そうかと思えば、経済環境の閉塞感打破のため、「Go To トラベル」「Go To イート」キャンペーンが展開され、コロナ対策と経済活性化の両にらみだ。
9月30日、令和3年度政府予算の概算要求が例年より1カ月遅れで締め切られた。別枠で要求できる新型コロナ対策費を中心に現時点では金額を示さない事項要求が相次ぎ、一般会計の要求総額は過去最大の105兆円規模に上ったと伝えられる。
そもそも、令和2年度の予算がイレギュラーであったため、上振れは仕方ない面もある。コロナ禍への対応により、1次補正、2次補正の公債金57.6兆円分を加え、一般会計の歳出額は160.3兆円まで膨張、いわゆる「ワニの口」は当分閉じる気配などないようだ。コロナ問題が収束していない以上、財政再建を打ち出すことが許されない雰囲気すらある。
しかし、この急膨張した債務をどうするかは、今こそ真摯に考えるべきである。そうしなければ、「日本国債の格付けは下がらない」と決めてかかることができなくなる危うさがあるからだ。格下げによるドルを含めた外貨の調達コスト上昇は、日本には痛手となる。
令和2年度2次補正後は、市中発行の国債が借換債を含めて200兆円超と大幅に増えたことに伴い、割引短期国債による調達を増やして対応中だ。キャッシュフローに問題はなく、市場の要求もあって世界中で短期債増発の傾向が見られるのは承知のうえで、通常、短期債で対応するのは、当該発行体の信用力が落ちているときであることも思わずにいられない。
強い意志を示すべきだ
「日本国債の格付けは米系格付け会社が付与した低いものでも、シングルA格ゾーンにある。この水準でガタガタ言うな」という意見もあるであろう。しかし、米国やドイツ、オーストラリアがトリプルA周辺であることを思えば面白くない。「格付けは民間格付け会社の意見にすぎない」という見方もあろう。だが、実際はその格付けが独り歩きし、調達コストを決めている。「ソブリン格付けは格付け会社の商売になりにくいのでいいかげんなものだ」と揶揄することも可能だ。しかし、ソブリン格付けは各格付け会社が当該国の事業会社や銀行に付与する格付けの大前提となる。当該国のすべての格付けの制約となるソブリン格付けを真摯に行わないはずはない。
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