有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #マネー潮流

OPEC還暦と原油価格の上昇リスク コロナ収束後に需要が減少に転じる保証はない

4分で読める 有料会員限定
  • 高井 裕之 国際ビジネスコンサルタント
たかい・ひろゆき 神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。英国ロンドンで、貴金属や銅・アルミなどの取引を担当。金融事業本部長、エネルギー本部長を経て、2013年住友商事グローバルリサーチ社長、18年同社ワシントン事務所長。20年7月から欧州エネルギー取引所グループ上席アドバイザーを務める(撮影:梅谷秀司)

今から60年前の9月、サウジアラビア・イラン・イラク・クウェート・ベネズエラの5つの産油国の代表がイラクの首都バグダッドに集まり、世界で唯一成功した生産者カルテルであるOPEC(石油輸出国機構)が創設された。

60周年という記念すべき年が、長きにわたり石油市場を支配したカルテルにとって最悪の年になろうとは、創設時には誰も予想しなかったであろう。

コロナ禍により世界経済はマヒし、4月にはピークで日量2900万バレル、世界総需要の約3割もの石油需要が蒸発、同月20日には米ニューヨークの原油先物市場で、期近物の原油が1バレル当たりマイナス40ドルで売買されるという異常事態も発生した。

サウジとロシアが主導するOPECプラスは、コロナ危機が起きた直後は足並みがそろわず油価を押し下げた。だが、4月にはそれまで協調減産に反対していた米トランプ大統領が率先して仲介役に回り、産油国24カ国による日量970万バレルもの協調減産が実現した。

5~6月には経済活動を再開した中国を中心に石油需要が戻り、減産効果と相まって油価も早々に1バレル当たり40ドルを回復した。急ピッチの回復ではあるが、まだ主要産油国にとって必要な財政均衡価格の半分に満たないのが現実だ。

産油国は8月から減産量を770万バレルに縮小し、来年1月には570万バレルまで縮める計画である。だが、第4四半期以降にコロナ禍が収束し石油需要がさらに回復するとみる向きは、残念ながら少数派だ。9月に開催されたOPECプラスの合同閣僚監視委員会会合でも、危機感を抱くサウジアラビアが過剰生産したUAE(アラブ首長国連邦)などに厳しく順守を迫ったとされる。40ドルで安定したかに見える油価も予断を許さず、再び30ドルへ向かうならば年末までに再度、協議の可能性もある。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数