──新型コロナのワクチンや治療薬の開発はどのような状況ですか。
これまで治療薬を開発してきたインフルエンザやHIV(エイズウイルス)は、ウイルスそのものを10年単位で調べてきた経験がある。今回はウイルスをゼロから調べるチームを早い段階からかなりの規模でつくったほうが、結果的には開発が速く進んだのかなという反省もある。とはいえ、ほかにも進めなくてはいけないプロジェクトがある。HIVの研究者が急にコロナウイルスの研究を始められるわけでもない。社内の態勢整備は簡単ではなかった。
──海外では、臨床試験の最終段階まで進んでいるワクチン候補もあります。勝算はありますか?
一般の方々としては、「外国では1カ月くらいですぐ臨床試験が始まっているじゃないか、日本の会社は何をやっているんだ」ということになる。ただ、海外で進んでいるワクチンにはどの感染症でも実用化されたことのない技術が用いられている。一方で、われわれは安全性においては今までの経験が応用できるものを開発している。結果的にわれわれのものが求められる将来が来るかもしれない。
──開発スピードが求められる一方、安全性はないがしろにできません。どうバランスを取りますか。
インフルエンザワクチンと同程度の安全性をイメージしている方が多いのかもしれないが、それ以上の頻度や重さで副反応が出るとなった場合、それは社会的に受け入れられないのではないか。そう考えると、焦って開発することはできない。とはいえ、臨床試験前の段階から製造設備を造り始めている。普通では考えられないようなリスクを取っているのも確かだ。
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