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「安全性を重視し、コロナワクチン開発を焦らない」 手代木 功 塩野義製薬 社長

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てしろぎ・いさお 1959年生まれ。82年東京大学薬学部卒業、塩野義製薬入社。87年米国・ニューヨークオフィス主席駐在員。経営企画部長兼秘書室長、医薬研究開発本部長などを経て2008年から現職。(撮影:梅谷秀司)
感染症薬で国内首位の塩野義製薬。新型コロナウイルス感染症のワクチンと治療薬の開発を進めており、ワクチンは2020年内に、治療薬は21年3月までに臨床試験を開始する予定だ。世界中でワクチンの開発競争は異例の速さで進んでいる。すでに実用化間近の開発品もある中で、後発の塩野義に勝算はあるのか。手代木功社長に聞いた。

──新型コロナのワクチンや治療薬の開発はどのような状況ですか。

これまで治療薬を開発してきたインフルエンザやHIV(エイズウイルス)は、ウイルスそのものを10年単位で調べてきた経験がある。今回はウイルスをゼロから調べるチームを早い段階からかなりの規模でつくったほうが、結果的には開発が速く進んだのかなという反省もある。とはいえ、ほかにも進めなくてはいけないプロジェクトがある。HIVの研究者が急にコロナウイルスの研究を始められるわけでもない。社内の態勢整備は簡単ではなかった。

──海外では、臨床試験の最終段階まで進んでいるワクチン候補もあります。勝算はありますか?

一般の方々としては、「外国では1カ月くらいですぐ臨床試験が始まっているじゃないか、日本の会社は何をやっているんだ」ということになる。ただ、海外で進んでいるワクチンにはどの感染症でも実用化されたことのない技術が用いられている。一方で、われわれは安全性においては今までの経験が応用できるものを開発している。結果的にわれわれのものが求められる将来が来るかもしれない。

──開発スピードが求められる一方、安全性はないがしろにできません。どうバランスを取りますか。

インフルエンザワクチンと同程度の安全性をイメージしている方が多いのかもしれないが、それ以上の頻度や重さで副反応が出るとなった場合、それは社会的に受け入れられないのではないか。そう考えると、焦って開発することはできない。とはいえ、臨床試験前の段階から製造設備を造り始めている。普通では考えられないようなリスクを取っているのも確かだ。

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