──鉄鋼業界は厳しい事業環境が続いています。
鋼材需要は4~6月を底に数量的には回復基調だが、水準は低い。マージンも低いままだ。日本国内での単体の製鉄事業は赤字が継続し、かつ拡大している。
2月には国内拠点の構造改革計画(23年9月末までの呉製鉄所閉鎖など)を発表したが、その前提よりもさらに厳しくなっている。決定済みの対策の前倒し、追加の対策が必要だ。検討に入っており、しかるべき時期に公表する。
──日本全体の年間粗鋼生産量は近年、約1億トンでした。今年はコロナ禍で8000万トン台に減少する見通しです。この先はどの程度の水準を想定していますか。
平時には内需が約6000万トン、輸出が約4000万トンある。内需は今後、増える状況にはない。輸出も(ライバルとなる)中国が出てくることは確実だ。輸出の主力市場であるASEANでは中国勢の高炉の建設が進んでいる。来年度は8000万トンより増えるだろうが、残念ながら国内生産が1億トンに戻ることはないだろう。
──中国メーカーは日本企業の得意領域である高級鋼でも追い上げています。
中国の最有力メーカー(中国宝武鋼鉄集団)は研究開発をして、何とか高級鋼を国産化したいと思っている。彼らの強みは資金力があり、何より巨大な内需があることだ。ものを作れば売れるので、経営資源を投入することができる。
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