地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備プロセスを停止する──河野太郎防衛相が突然、こう表明したのは6月15日のことだ。
これを受けて日本政府は9月までにミサイル防衛の代替案を検討し、年内に「国家安全保障戦略」を改定する予定だ。わずか3カ月で代替案をまとめるのは、概算要求に間に合わせるためだろう。
イージス・アショアの配備を停止するのは、迎撃ミサイルを発射したときにエンジン部分(ブースター)が基地の外に落ちてしまうおそれがあるというのが理由だ。その可能性をゼロにするには、改修の費用と期間が多大となることが今になってわかったという。
もともとイージス・アショアの導入は拙速に決まった。2017年2月に安倍首相が就任直後のトランプ米大統領と会談した後、3月に自民党の提言が出され、同年8月には防衛省が導入を決定した。この間、ほかの選択肢を十分検討した跡はみられない。
東アジアの緊張は高まっており、ミサイル攻撃の脅威がなくなったわけではないので、一刻も早く代替案を策定すべきという意見はもっともだ。しかし、これを機に期限ありきではなく、腰を据えた安全保障の議論を深めることが結局は早道なのではないか。
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