「ニューノーマル」という言葉をよく耳にする。新型コロナウイルス感染症が収束した後も、日常生活や産業構造などが元に戻らず、新しい世界となるといった意味で使われている。
もともとはエコノミストのモハメド・エラリアン氏が、リーマンショック後の世界経済は景気が回復しても以前の状態に戻らないという意味で唱えた概念だった。このため今回は「ニューノーマル2.0」と称することもある。
1か2かはともかく、ウイルス感染の防止のためにこれまでのやり方を変えなくてはいけないのは確かだ。日常生活については専門家会議の提言を踏まえて厚生労働省が「新しい生活様式」の実践例をまとめており、企業に対しては各業界団体がガイドラインを発表している。
こうしたガイドラインには「それぞれの実情に沿った創意工夫を推奨する」という趣旨が記されている。しかし、実際に中身を読んでみると各社の創意工夫の余地はほとんどないことがわかる。
例えば、外食産業の業界団体である日本フードサービス協会のものを見ると、飲食店のテーブルはパーティションで区切る、最低1メートル、できれば2メートル以上の間隔を空ける、真正面の配置を避けるなどと事細かく記している。さらに会話は控えめにして、BGMを聴くなどを勧める、お酌や回し飲みは避けるように注意喚起するといった客の行動も規定している。
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