全国規模での緊急事態宣言は5月25日に解除されたものの、新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されている。北九州市では6月7日まで16日間連続で新規感染者が確認され、その人数は140人に達している。東京都も、夜の繁華街などでの感染者の増加により独自の警報を出す事態になっている。
経済活動の再開が進む中で、4月初旬を上回るような急増に見舞われた場合の備えは十分だろうか。検査体制拡充の取り組みを中心に検証してみよう。
新型コロナウイルス患者を見つけ出すうえで重要なのがPCR検査だ。鼻咽頭の粘液を拭い取り、専用の装置を用いて遺伝子を増幅するPCR検査によって感染の有無を判定する。陽性と判断された場合、ほかの人にうつさないように入院措置が取られる。
だが検査能力の点で日本はほかの先進国に立ち遅れてきた。発熱や倦怠感などの症状があっても検査をしてもらえない事例が続出。深刻な社会問題となってきた。
そこで解決のために進められているのが、医師会主導による検査センター設置の取り組みや、民間検査会社の体制強化だ。6月1日時点で、全国でのPCR検査の能力は2万6000件を上回っている。諸外国と比べて規模は小さいものの、1万件程度だった4月当時と比べると前進が見られる。
簡易な検査方法も登場
検査件数を増やすうえでの援軍も登場した。その1つが唾液を用いたPCR検査の導入だ。
唾液の採取は従来の手法と比べ医療者にとって感染の危険性が低いうえに、患者への負担も軽いというメリットがある。研究結果によれば、発症から9日以内の症例では、従来の方法と遜色のない精度が確認されたという。
特筆されるのが、日本発のエビデンスに基づいているという点だ。香港など一部の地域で試行事例があるものの、国を挙げての取り組みとしては世界に先駆けたものだ。
この記事は会員限定です
残り 739文字
