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求められる短時間労働者の待遇改善 被用者保険の適用拡大が進む

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  • 藤森 克彦 日本福祉大学福祉経営学部教授・みずほ総合研究所特任研究員
日本福祉大学 福祉経営学部教授 藤森克彦(ふじもり・かつひこ)1965年生まれ。長野県出身。国際基督教大学教養学部卒業。同大学大学院行政学研究科修士課程修了。日本福祉大学にて博士号(社会福祉学)取得。2017年から現職。みずほ情報総研主席研究員も務める。専門は社会保障政策。著書に『単身急増社会の希望』など。(撮影:尾形文繁)

「ステイホーム」の生活は、感染リスクを抱えながらも家の外で働く人々の支えがあって初めて成り立つ。これは、在宅勤務を続ける中で気づかされた点だ。例えば、医療や介護、スーパーマーケットなどの小売業、ゴミ収集、宅配、行政サービスなどの従事者がいなければ、ステイホームの生活を送ることはできない。

欧米では、生活維持に不可欠な仕事に携わる人々を「エッセンシャルワーカー」と呼ぶようだ。どの業種を「不可欠」というのかは難しいところだが、一般にエッセンシャルワーカーと呼ばれる人々の業種をみると、短時間労働者の比率が高いように思われる。

例えば、2018年の業種別の短時間労働者(パート・アルバイト)の割合をみると、医療・福祉30%、小売業55%、生活関連サービス44%、持ち帰り・配達飲食サービス業65%である。

ところで、社会保険の面から短時間労働者の課題をみると、被用者であるのに厚生年金や健康保険といった被用者保険に加入しておらず、自営業者などの加入する国民年金や国民健康保険に加入している点が挙げられる。被用者保険に加入すれば、労使折半で保険料を負担できる。また、給付面をみても厚生年金であれば、満額で月額約6.5万円の基礎年金に加えて、報酬比例部分を受給できる。短時間労働者は、自営業者と異なり定年があるので、基礎年金だけで高齢期の貧困を防ぐのは難しい。

しかも、短時間労働者の多様化が進み、従来のように夫の被用者保険で扶養される「主婦パート」とは限らない。主たる生計維持者として短時間労働に従事する人が増えている。厚生労働省の調査によれば、パートタイム労働者のうち、主たる生計維持者の割合は33%に上る。とくに、シングルマザーの多くは主たる生計維持者として働くが、就業者の44%は短時間労働に従事している。

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