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教育での対応も喫緊の課題だ 新型コロナウイルスの感染拡大と教育

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  • 苅谷 剛彦 上智大学特任教授・英オックスフォード大学名誉教授
英オックスフォード大学教授 苅谷剛彦(かりや・たけひこ)1955年生まれ。米ノースウェスタン大学大学院博士課程修了、博士(社会学)。東京大学大学院教育学研究科助教授、同教授を経て2008年から現職。著書に『階層化日本と教育危機』『増補 教育の世紀:大衆教育社会の源流』『教育と平等』など。(撮影:尾形文繁)

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本でも緊急事態宣言が出された。5月6日に一応の期限が来るが、感染拡大が収まる気配はない。感染を抑制するための手立てを最大限に尽くし、医療システムを維持し、人々の生命を守ることが優先課題である。同時に、経済への影響を最小限にとどめるための措置を取ることも困難だが重要な課題である。

そして、こうした喫緊の課題と同様に重要なものとして、教育への影響も忘れてはならない。次世代の育成や世代間の不平等拡大といった面で社会や経済へボディブローのように影響を与えるからだ。

日本でも学校の臨時休業措置が取られている。文部科学省は4月21日に「臨時休業中の学習の保障等について」という通知を出した。その眼目は「子供たちに教育の機会均等を確保する」ことであり、そのために学校の各設置者に「家庭学習の充実」を求めている。とくに強調されているのが、パソコンやタブレット端末、スマートフォンといった「ICTの最大限の活用」である。

ネットを通じて教育産業はさまざまな学習機会を提供する。無償の期間もあるが、やはり家計の経済力がものをいう。ネット環境や保護者の教育への関心の違い、地域差も影響する。すでに存在する教育の不平等がさらに拡大しかねない。休業措置が長期化すれば、「教育の機会均等」は絵空事になる。ICT機器を満遍なく子供に供給するだけでは格差拡大に歯止めはかからない。モノの優先だけでは問題は解決しないのだ。

この4月から新しい学習指導要領による教育がスタートした。まさにそのときに、学校は今の事態に直面した。微に入り細に入りの「主体的・対話的で深い学び」の実施・実現は確実に遠のく。

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