「映画館でオペラざんまい」がすっかり定着した感のある「METライブビューイング」。世界最高峰のオペラハウスとして名高いニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)の最新ステージが映画館で楽しめるこのイベントは、2006年のスタート以来世界各国に広がり、現在では世界70カ国2200カ所以上で上映されている。
日本では松竹によって初年度から上映されており、毎年右肩上がりの観客動員数を記録している。人気の秘密は、超一流の歌手をそろえたクオリティーの高いステージが、1作品3700円(税込み・指定席)で体験できるという価格設定にもあるようだ。映画としては高額だが、ほとんどが3時間を超すオペラを、さながら自分がステージに立っているかのような臨場感あふれるカメラワークで体験できるとなれば、コストパフォーマンスは悪くない。
生演奏とはニュアンスの異なる音響などを含め、当初は “オペラへの入り口”と考えられていたこのイベントが、実は“まったく別の優れたエンターテインメント”であると理解され始めたことが喜ばしい。何より、これまで上映されてきた100を超える作品の数々によって、オペラ愛好者の裾野を大きく広げたことが革新的だ。
新シーズン、開幕
さて、11月15日に開幕したばかりの2019-20シーズンは、第1作プッチーニ『トゥーランドット』の上映真っただ中だ(11月21日まで)。トリノオリンピックで荒川静香さんが使用した『誰も寝てはならぬ』を含むこの作品はオペラ入門にもぴったり。冷酷な姫君トゥーランドットの謎かけに挑む流浪の王子カラフの運命やいかに。
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