ロンドン、パリ、ニューヨーク。欧米の主要都市にはその街を象徴するオーケストラが存在してきた。オーケストラは街の力によって向上し、街はオーケストラの魅力によって輝きを増す。
その関係が最も理想的に機能しているのが、オーストリア・ウィーンのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(VPO)と、ドイツ・ベルリンのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(BPO)だろう。人気実力ともに世界最高峰の、この2つのオーケストラが、この秋相次いで来日公演を行う。“東西の横綱”とたたえられるスーパー・オーケストラを、ほぼ同時に体験できるファン垂涎のチャンス到来だ。今回は両者の背景と魅力をチェックしておこう。
ウィーンの楽友協会大ホールを拠点とするVPOは、ウィーン国立歌劇場管弦楽団の有志による自主運営という特殊なスタイルのオーケストラだ。1842年の創設以来グスタフ・マーラーをはじめとする大物が常任指揮者を務めてきたが、1933年以降は常任指揮者を置かず、団員の投票で選ばれる楽団長を中心とした自主運営によって客演指揮者を決めている。
VPOの名を世界にとどろかせているのが、毎年1月1日に開催される「ニューイヤーコンサート」だ。“世界で最もチケットが取りにくい”といわれるこのコンサートには毎年話題の指揮者が登場。ヨハン・シュトラウス一族などによるウィーン伝統のワルツやポルカが披露され、その映像が90以上の国や地域で放送されている。
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