戦艦大和やゴジラ、第二次世界大戦傑作機コレクションなど、好奇心と物欲をくすぐる品ぞろえで人気の分冊百科「デアゴスティーニ」。その中で歴代最高の部数を記録したのが、1994年の「クラシック・コレクション/全180巻CD付き」創刊号であるのをご存じだろうか。その数なんと180万部。創刊号特別価格290円という破格の設定とはいえ、CDなら2000枚も売れればまずまず、といったクラシックの世界で、この数字は驚き以外の何物でもない。興味がなければわざわざ買おうとは思わない商品だけに、潜在的なクラシックファンがこんなにいるのかと喜んだ当時の記憶がよみがえる。そして、この圧倒的な人気を博した創刊号のテーマが、ロシアを代表する作曲家チャイコフスキー(1840〜93)だったのだ。
チャイコフスキーの最大の魅力は、何といってもその印象的なメロディーだ。『白鳥の湖』の「情景」や、『くるみ割り人形』の「行進曲」などは、一度聴いたら耳について離れない。チャイコフスキーがクラシック史上屈指のメロディーメーカーであることの証明だろう。誰が聴いても楽しめる親しみやすさにおいては、クラシック史上最大の作曲家、ベートーヴェンやモーツァルトを上回るかもしれない。それをわかって創刊号に選んだのなら、このシリーズの企画者に拍手喝采したい。
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