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身近な楽器リコーダー、その真の魅力を知る バロック時代に花形楽器として地位を確立

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  • 田中 泰 日本クラシックソムリエ協会 代表理事
世界屈指のリコーダー奏者ミカラ・ペトリ。その演奏はリコーダーの持つ魅力を最大限に引き出す(©Eric Klitgaard)

小学生の頃の音楽体験を振り返ると、鼓笛隊や学芸会で手にした縦笛(リコーダー)を思い出さずにはいられない。「スペリオパイプ」とも呼ばれていたこの楽器は、音楽の授業で児童全員が体験する最も身近な楽器だった。

この懐かしいリコーダーを含む縦笛の歴史は古く、日本の尺八や南米のケーナなど、さまざまな形のものが世界中に存在している。中でも中世ヨーロッパで誕生したリコーダーは、15世紀後半のルネサンス時代から17世紀のバロック時代にかけて全盛期を迎え、貴族のサロンや教会音楽の発展とともに花形楽器としての地位を確立していく。ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685〜1750)やヴィヴァルディ(1678〜1741)、テレマン(1681〜1767)など、バロック時代の巨匠たちがリコーダーのために多くの作品を遺(のこ)したのがこの頃だ。

ところが、より優れた音色と大きな音量を持つフルート・トラベルソ(現代のフルートの前身)の登場によって状況は一変。モーツァルトやベートーヴェンが活躍する18世紀末にはすっかり忘れ去られてしまったのだ。

過去の楽器となったリコーダーだったが、19世紀末に起こった古楽復興運動(古い時代の音楽や楽器を再現する活動)で見事復活。比較的簡単に音が出せ、持ち運びにも便利なことから、音楽教育にも使われるようになる。日本においては、管楽器製作の草分け「日本管楽器(ニッカン)」によって1955年に開発された、丈夫で安価な樹脂製のスペリオパイプの登場が、小学校の音楽教育に導入されるきっかけとなったようだ。

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