世界を取り巻く地政学的リスクは、依然として解決策が見えないままだ。
米中閣僚級協議が10月初めにワシントンで開催されることが決まったが、10月1日から、2500億ドル分の中国から米国への輸入品に対する関税が、25%から30%に引き上げられることになっている。
それとも、直前に関税引き上げが延期になり、しばらく市場参加者を喜ばせてくれるのだろうか。ただ、市場参加者は、またツイッターの一文で失望させられる可能性の高いことは知っている。
英国のEU(欧州連合)離脱も、情勢がまったく読めない。
労働党を含む野党は、離脱延期が確実になるまで解散総選挙には応じない構え。総選挙を行い10月末にEUから離脱することを主張するジョンソン首相とは対立している。だが、離脱延期にはEU27カ国の同意が必要でもあり、英国だけで決められることではない。
さらに、市場の不安を高めるだけ高めたまま、英国の議会は閉会となり10月14日まで再開しない見通しである。
相変わらず政治に振り回されるマーケットだが、筆者はここからドル円相場はいったん円安方向に戻るのではないかと見始めている。
ドル円相場は日米金利差との相関が非常に強く、これまで米国の長期金利が低下する中でそれに沿ってドル安円高が進んできた。しかし、世界の長期金利は一時的にせよ上昇するリスクが高いのではないかと予想している。
長期金利が上昇へ
今年、世界の投資家が行った取引で利益が最も出ているのは債券投資であろう。長期金利の急低下で債券価格が上昇し、含み益がかなり大きくなっていると考えられる。これを年末に向けて利食いする動きが出て長期金利が比較的大きく上昇するリスクは低くはない。
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