トランプ米大統領のツイッターに端を発した夏の嵐の中で、金と銅の動きが面白い。
世界的に株式が売られ国債が買われる中で8月に金は6年ぶりの高値をつけ銅は2年ぶりの安値をつけた。実はトレンドは8月に始まったわけではなく春先から続いていた。
そもそも資源の世界では、金は銅の副産物として産出することが多い。漢字でも銅は「金に同じ」と書き、この2つは非常に近い関係にある。
日本の歴史をさかのぼると、江戸時代初期には精錬技術が未熟だったことから粗銅から金銀純分を分離できず、銅よりもはるかに希少価値の高い金銀が、当時は銅と同じ価格で大量に海外に流出していた。
そんなとき、京都の商人であった蘇我理右衛門が南蛮(西洋)人から精錬技術「南蛮吹き」を学び、大坂を中心に同業者の間に広めたとされる。理右衛門は銅鉱山の経営や貿易も手がけ、今の住友の事業の礎を築いた中興の祖である。
そんな歴史を持つ金と銅であるが、マーケットでは銅は「経済学修士」、金は「心理学博士」の異名を取り、金融投資家は昔からその相場動向に注意を払ってきた。
銅相場が世界景気の強弱を反映し金相場はマーケットの心理状態を反映するとされる。すなわち足元の低迷する銅相場はこれから世界景気が後退期に入ることを暗示し、勢いのある金相場は投資家の不安心理を反映していると考えられる。
銅は世界需要の半分が中国市場で消費されることから、トランプ大統領による中国製品に対する関税攻勢が中国依存度の高い銅相場を直撃したと考えられる。
さらに急速に進む人民元安も輸入コストを押し上げ、需要の減退に拍車をかけることが懸念されている。人民元相場と銅相場は昨年6月ごろから高い相関関係にあり、元安への懸念が銅相場にも重くのしかかる。
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