FRB(米連邦準備制度理事会)は9月、7月に続いて2度目の利下げを実施した。市場は「本当に金融緩和が必要なほど経済は減速しているのか」という疑問を抱きつつ、この数カ月間、FRBの行動を注視してきた。「世界経済の先行き不透明感への保険」というのがFRBの公式見解だが、それとは別に、トランプ政権からの圧力がこの行動に影響しているとの見方も有力である。
今年は7月に、トルコで大統領と意見対立のあった中央銀行総裁が更迭された。米国の利下げとトルコの件はもちろん何の関係もないが、トランプ政権によるFRB批判のトーンは時間とともに強まるばかりである。
2019年という年は中央銀行の「独立性」が大きく揺らいだ象徴的な年だったとして、後年、振り返られることになるかもしれない。
現代の先進国においては、中央銀行がその「独立性」を法的に担保されているのは当然だと見なされている。しかしその一方で、中央銀行が政府から「完全」に独立しているという考えはどこか疑わしいと感じてきた人も、少なくないのではないか。実際、法的にも政府や議会は中央銀行に対して、人事権の行使を通じて何らかの形で影響を及ぼすことが可能になっているのである。
政治学において、「非多数派機関」(Non-Majoritarian Institutions)」という用語がある。これは、政府や議会が通常のプロセスで処理するには利害が複雑すぎる、あるいは専門的すぎると考えられるような分野において、政府や議会から一定の権限と独立性を付与された機関を指す。その代表的なものとして、政府に属する諮問委員会のようなものや中央銀行などが挙げられる。
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