8月のワシントンは気温の上昇とともに街中が閑散となり9月のレイバーデーまで夏休み期間に入る。議会も休会となり議員は地元へ帰る。トランプ大統領もニュージャージー州のゴルフリゾートで休暇を過ごす。
そんな夏休みモードを一気に吹き飛ばしたのが1日の大統領の突然のツイートだ。進展しない対中貿易協議にしびれを切らし、「このままだと翌月から3000億ドル相当の輸入品に10%の追加関税をかける」とした。実行すれば第4弾の関税発動だ。
その前日にはFRB(米連邦準備制度理事会)が10年半ぶりの利下げを発表したばかり。株式市場はポジティブに反応するかと思いきや、利下げ継続期待を裏切るパウエル議長の発言に失望して、下落した。議長に積極的な利下げを再三要請してきた大統領も大いに落胆した。
FRB議長の消極的スタンスも大統領を第4弾の追加関税へと動かす一因になった。自分が夏休みに入る前に、中国を脅すとともに、FRBにも追加利下げへの圧力をかけたのである。
さらに、5日にはムニューシン財務長官がついに中国を為替操作国に認定したと発表した。米中の通商関係者の夏休み返上が決まってしまった。
3つの追い風で絶好調
7月は大統領に3つの追い風が吹いた。
まずはモラー元特別検察官の議会証言である。大統領による違法行為の可能性は否定しないが、現職ゆえに起訴しないという核心部分が再確認された。だが、モラー氏には往年の敏腕司法官僚らしい切れ味はなく、意地悪な共和党議員にいじめられる老人のようにテレビに映った。カメラの前で米国民に膨大な調査報告書の中身を赤裸々に語ってくれると期待した民主党議員を失望させてしまい、大統領弾劾へのモメンタムはしぼんだ。
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